農林水産省が22日発表した全国小売店での野菜販売価格の動向(13~15日時点)によると、キャベツやハクサイなど調査対象の8品目で平年に比べて4~35%安い価格となった。暖冬で生育が順調に進んで出荷が増える一方、鍋物用などの需要が伸び悩んでいることが影響した。消費者にとっては恩恵だが、農家は対応に苦慮している。
 農水省が全国470店舗の小売価格を調べた。鍋物の定番の具材として使われるハクサイは平年より22%安く、1キロ当たり146円だった。キャベツは34%安の143円、ネギは14%安の668円、ダイコンは20%安の146円となった。
 最も値下がり率が大きかったのはレタスの35%安で、ホウレンソウやトマトも安くなった。昨秋までに収穫した在庫を出荷しているタマネギは4%安にとどまった。
 農水省によると、昨年11月ごろから今月にかけて例年より気温が高く、全国的に生育や収穫時期が早まったという。キャベツやダイコンは育ちすぎると品質が低下したり、規格外となったりするため、生産者は値下がりが続く中でも価格を維持するために出荷時期を分散することが難しい。どうしても収穫が過剰の場合は産地で廃棄されるケースもある。
 暖冬により収穫時期が早まったことで、今後寒波が襲うなどの影響があれば春先の出荷が減って値上がりに転じる可能性もある。ただ気象庁によると3月までは気温の高い傾向が全国的に続く見通しで、価格動向に当面、大きな変化はないとみられる。【共同】

■「何でも安くなっている」

 佐賀県内でも野菜の価格は下がっており、佐賀市の佐賀青果市場は「キャベツやレタス、ダイコン、ホウレンソウと何でも安くなっている。下がっていないのはレンコンくらい」と話す。

 暖冬で野菜が前倒しで次々と収穫されて量が増え、価格も平均で1、2割安くなっているという。農家や市場にとっては厳しい状況で「鍋物の需要も弱い。高くなる要素は当分、何もない」と、冷え込まない冬にもどかしさを募らせる。

 佐賀市富士町の高冷地でホウレンソウのハウス栽培に取り組むJAさがの営農担当者は「今年になって平地の露地物が多く出回り、単価が1割ほど下がってきた。この価格に引っ張られると、施設で栽培している生産者は厳しくなる」と、農家の経営への影響を心配している。

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