映画「しゃぼん玉」を見る佐賀少年刑務所の受刑者たち=佐賀市新生町

映画「しゃぼん玉」上映後、プロデューサーの豊山有紀さんが映画制作などについて講演した=佐賀市新生町の佐賀少年刑務所

 佐賀市の佐賀少年刑務所で17日、罪を犯した青年の立ち直りを描いた映画「しゃぼん玉」(2017年公開)の上映会が開かれた。社会で暮らしていく上で誰かから必要とされ、居場所があることの大切さが描かれており、受刑者と更生支援に携わる関係者らがそれぞれの立場から更生に向けた思いを強くした。

 「しゃぼん玉」は、親の愛情を知らずに育った青年が通り魔や強盗傷害を繰り返す中、ある山村で一人暮らしの高齢女性を助けたことを機に女性との生活が始まるという内容。女性や地域住民との交流を通じて心境に変化が芽生え、自身の罪と向き合っていく。

 上映会は体育館を会場に開かれ、刑務所側から選ばれた20~80代の受刑者57人と関係者らが参加した。上映後に映画のプロデューサーを務めた豊山有紀さんが講演し、温かい食事や山仕事などのシーンがテーマを表現している点や、完成まで5年を要した制作の流れについて語った。

 主人公と生い立ちが似ており、自身と重ね合わせたという受刑者の男性(23)は「おばあちゃんが温かく、すごくいい環境だと思った」と居場所の大切さを実感し、「出所後は人の役に立てる仕事に就きたい」と語った。佐賀少年刑務所の篤志面接委員として、数十年にわたり受刑者の相談に乗ってきた瀬山新子さんは「家庭環境から非行に走る人は多いが、支えがあれば立ち直れる。受刑者の心のよりどころになることを、もっとしてあげたい」と話した。

 矯正施設での「しゃぼん玉」の上映は全国の刑務所や拘置所などで実施し、今回で20カ所目になる。

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