青空の下、麦踏みをする生産者。佐賀豪雨では一帯が冠水し、作物が被害を受けた=武雄市

 真っすぐな黄緑色のラインが冬の日差しに輝く。畑にラインを描くのは芽を出した麦。農家はローラーが付いた農機を走らせ、麦踏み作業に精を出す。全国屈指の麦産地を誇る佐賀県の平野部ではおなじみの光景だ。

 昨年8月、記録的豪雨が県内を襲った。広範囲が冠水した武雄市では農作物も大きな被害を受けた。5ヘクタールで米と大豆を生産していた同市武雄町の渕良昭さん(67)は「流れてきたごみが散乱。1日以上漬かった影響で、米の収量は6割弱に落ち、大豆はさらにひどかった」と振り返る。

 濁水にのまれた田畑はいま、二毛作で植えられた麦の芽が一面に広がり、農機のエンジン音が穏やかに響く。麦は踏まれて強くなり、根を張り大きく育つ。今年も変わらない光景が、災害からの復興を実感させてくれる。

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