藤﨑伸太さんの遺稿など同人14人の作品を掲載する「木木」32号

 唐津市を中心とした文学同人誌『木木(きぎ)』の32号が発行された。14人が小説や随筆、俳句、詩を寄せ、昨年12月亡くなった市内の医療法人会長藤崎伸太さん(90)の遺稿など随筆3編を収載する。

 藤崎さんは終戦時、海軍兵学校の生徒で、3作品はいずれも戦争に材を取る。「伝えておきたいぼたもちのはなし」は出撃前日、ぼた餅を食べて米軍機に突撃した従兄のことなど、ハレの日のごちそうだったぼた餅にまつわる悲話と、彼岸になると少年兵のためにぼた餅を供える妻への感謝をつづる。

 「二つのお守りに助けられた 私の昭和平成」は本年度の佐賀県文学賞秀作受賞作。藤崎さんは2015年から「木木」に寄稿を始め、同人との交友の中で、肩書や社会的地位とは無関係の文学を楽しんだ。

 編集を担当し、藤崎さんのひつぎに弔辞を託した林絹子さん(66)は「シンプルで簡潔な中に格調高い文章で、あの当時の若者のこと、国のことを藤崎さんの作品を通じて知ることができた」と話す。

 

 ▼1100円。127ページ。電話0955(77)4156。

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