夕暮れの「浜野浦の棚田」。国の指定棚田地域への申請を予定している=東松浦郡玄海町、2017年4月撮影

 佐賀県は棚田を核にした振興を後押しする「棚田地域振興計画」を策定した。都市部からの移住や定住に向けた支援を充実させ、棚田の魅力を発信する観光業の人材育成を図る。棚田がある地域には、国が保全活動を支援する「指定棚田地域」への申請も促す。

 県内では早くから棚田保全に取り組む地域があり、蕨野(わらびの)(唐津市相知町)や江里山(小城市小城町)など6地区が農林水産省の「日本の棚田百選」に選ばれた。こうした地域が交流イベントなどでにぎわいを生み出す一方、人口減少や高齢化の影響で耕作が放棄された棚田の増加が課題になっている。

 振興計画では、移住・定住の促進や農山漁村での体験、観光の促進など七つを必要な施策として位置付けた。国の施策を活用し、空き家の利活用の促進や起業支援で移住をサポートする。棚田の周辺にトイレや駐車場、外国人向けの案内板などを整備し、観光客を受け入れる体制も整える。

 県は農水省が2019年度に作成した「棚田カード」に倣い、主要な棚田12地区をPRする県独自のカードを20年度までに作成し、配布する。中山間地に関する基金も積極的に活用する。

 国は19年8月、棚田地域振興法を施行し、指定棚田地域制度を設けた。指定されれば、保全活動に対する交付金が加算されるなどの優遇措置が受けられる。国は12月末に、第1弾として宮崎県や和歌山県などの計20地域を指定した。

 県内でも指定棚田地域に申請する準備が進んでおり、県農山漁村課は「県の計画策定や国への指定地域申請をきっかけに、棚田を将来的にどう守るか、地域で議論するきっかけになれば」と話す。

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