金継ぎで直しを入れた初期伊万里の小徳利(提供写真)

武雄市の宇土谷(うどんたに)窯跡から出土した、さや鉢に熔着した磁器片(1610~30年代)

焼成中にくっつき、そのまま焼き上がった花器=唐津市の「龍仁窯」作

金継ぎにより存在感が増した、和釘をイメージしたオブジェ=武雄市の「閑古錐(かんこすい)窯」作

 作陶の過程で曲がったり、割れたりした焼き物の魅力にスポットを当てる企画展「いとをし、かたやぶれもん」が18日から、武雄市の陽光美術館で始まる。作り手の意図を離れて偶然生まれた型破りな作品を「かたやぶれもん」と名付けて、不完全さが醸し出す味わいを鑑賞する。

 佐賀と長崎の8市町でつくる「肥前やきもの圏」の企画展で、昨年に続いて2回目。佐賀県内14窯元の作品から、陶片を金継ぎして直したものや、古武雄の陶片など約90点を展示する。

 焼成中に曲がって割れた「初期伊万里」の小徳利や叩きのつぼを金継ぎで直した作品をはじめ、焼成中にさや鉢に熔着(ようちゃく)した磁器、甕(かめ)の上下をくっつけて焼いたためにユニークな形に変形したものなどが並ぶ。

 いずれの作品も独特の味わいがあり、陶芸家の愛着が伝わってくる。さらに、当時の作陶の様子が伝わる貴重な資料にもなっている。同館学芸員の神谷直子さんは「伝統の型があってこその、かたやぶれもん。無作為の美しさや造形の面白さを味わうと同時に、焼き物の伝統も感じてほしい」と話している。

 期間中は、元県立名護屋城博物館館長の東中川忠美氏による講演会(18日)や、陶芸家によるギャラリートーク(19日)、蒔絵(まきえ)や金継ぎ体験も行う。

 

 ▼企画展「いとをし、かたやぶれもん」は陽光美術館=0954(20)1187=で、31日まで。入場料600円(中学生以下無料)。水曜休館。  

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