「変身した景色」(25・5センチ×13・2センチ)

「どこにいくのか」(66センチ×55センチ)

「生まれたての風景」(25・7センチ×36・5センチ)

 文化勲章受章者の洋画家・野見山暁治さん(99)=福岡県出身、東京都=の作品展が佐賀市で開かれている。豊かな想像力から生まれる銅版画や水墨画、水彩画など34点が並ぶ。

 版画の近作16点が中心で、佐賀での作品展は2018年の秋以来。展示作のうち、「変身した景色」はハートのような形が地上を舞い、空中を浮遊しているように見える。モチーフになった場所はどこか、それをどう変身させたのかと興味をそそるが、野見山さんは「イメージを広げてもらいたくてタイトルは説明的じゃなく、むしろ絵と合わないように付けている」とけむに巻く。

 一方、同じく版画の「生まれたての風景」は、福岡県糸島市に構えるアトリエから望む入り江の情景。単調な色合いの海や空に、自らのいろいろな気持ちを投影させた赤や黄を織り交ぜた。モチーフに縛られず、人間や自然の本質を追求する巨匠の創造性が発揮されている。

 水墨画では、躍動感のある筆致の「どこにいくのか」(66センチ×55センチ)が印象的。ウサギやイノシシを思わせるシルエットが、跳ねるように駆けて行く。その目的地はもちろん、鑑賞する側に委ねられる。

 今年12月に100歳を迎える野見山さんは「周りはお祝いムード。ただ、年齢は自分の力で取ったものではないし、ほめられてもしょうがないけど、まだまだお役に立てるようにしたいね」。旺盛な創作意欲を見せる。

 ▼佐賀市天神の画廊憩ひ=電話0952(23)2353=で26日まで。

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