写真集「筑紫次郎物語-続編」を手にする本間雄治さん=佐賀市の自宅

有明海の干満差を利用した浮きドックで改修工事を受ける客船「若津丸」(撮影・明治30年代ごろ)

 佐賀財閥の一つ、深川家が経営した深川造船所(大川市)の明治から大正期を写した写真を紹介する写真集「筑紫次郎物語-続編」が出版された。監修に携わった佐賀市の本間雄治さん(70)は「九州の近代史において重要な史料」と語る。

 深川造船所は筑後川を挟んで佐賀市川副町の対岸にあり、佐賀商船学校の実習指定工場だった。三重津のドライドックを発展させた石造りのドライドックがあり、遠くは広島県呉市まで走った木造電車を作っていた。写真集の第1章では、造船所の当時の姿を写した約70枚の写真を36ページにわたって紹介する。

 本間さんは近代佐賀を研究していて、NPOみなくるSAGAと大川未来塾の理事を務める。写真は、深川造船所の後を継いだ今村製作所の関係者が大川未来塾に持ち込んだ約300枚の一部だという。写真はデータ化し、現物を佐賀城本丸歴史館に寄贈した。

 筑後川の風景を集めた「筑紫次郎物語」(2006年)の続編。本間さんは「明治維新後の佐賀について語られることは少ない。写真は佐賀の財閥が九州の重工業の最先端で交通インフラを担っていた事実を物語る」と話す。

 ▼A4判、108ページ、1500円。問い合わせはNPO大川未来塾事務局、電話070(4766)0020。

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