九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を巡り、国土交通省は16日、佐賀県に対し、与党方針のフル規格だけでなく、5方式で協議することを提案した。県との協議入りを目指す国交省は「『フル規格を前提にしない』と取ってもらって結構」と述べ、フル規格ありきに反発する県の意向を尊重する姿勢を見せた。県は「提案内容を確認する」とし、判断を保留した。

 国交省の足立基成幹線鉄道課長が県庁で南里隆地域交流部長と非公開で面談し、整備方式に関する協議の在り方について事務レベルの確認作業に臨んだ。

 国交省は、協議の進め方の確認文書案を示した。与党方針のフル規格だけでなく、在来線を生かすスーパー特急とフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)、暫定開業時に採用するリレー(対面乗り換え)方式に、ミニ新幹線も含めた5方式について「論点を整理した上で、真しん摯しに協議する」と明記した。

 スケジュールに関しては「いたずらに時間だけが過ぎることないよう精力的に協議を積み重ねる」としつつ「結論・期限ありきで性急に行われることがあってはならない」と付け加えた。協議のペースは実務者レベルで月1~2回、知事と鉄道局長間で1~2カ月に1回程度とした。

 終了後、「フル規格が前提ではないという趣旨か」との記者団からの質問に足立課長は「そう取ってもらって結構。5方式を並列に並べて真摯に議論する」と強調した。「県の合意なく協議を前に進めてはならない」とする県側からの指摘に対しては「もちろん県の合意なく物事を進めることはしない。それを文書にすべきというのであれば、そうしたい」と話した。

 足立課長が「1月中には協議入りしたい」と述べたのに対し、南里部長は「そういう状況ではない」と確認作業に時間を要するとの認識を示し、見解の相違が浮き彫りになった。

 国交省は与党から佐賀県など関係者と整備方式を協議するよう指示されていた。山口祥義知事と赤羽一嘉国交相は昨年12月に会談、協議に向けて事務レベルで確認作業を進めることで一致していた。

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