窯業地域における文化的景観の保存と活用について議論したパネル討論=有田町の佐賀大学有田キャンパス

 窯業地域における文化的景観の保存と活用を考える講演とパネル討論が11日、有田町の佐賀大有田キャンパスで開かれた。窯業地域での調査事例などから、文化的景観を生かした観光でまちづくりを進める方法について専門家が語り合った。

 講演では2人が登壇。九州産業大建築都市工学部の山下三平教授は、福岡県の小石原焼と大分県の小鹿田(おんた)焼での写真投影法による調査結果を紹介した。「訪問者は家屋、装飾、川を里の風景として意識している。特に、川は地元の人が意識していない」と、川の景観の重要性を指摘した。

 久留米工業大建築・設備工学科の大森洋子教授は、観光収入を地域に分配して地域が潤うシステムや組織づくりを推奨した。「日常の生活空間に訪問客を迎える町並みでは、生活環境、観光資源、文化財としての三つの価値のバランスを考えて整備することが大事」と活用手法に言及した。有田については「有田焼はブランド化できているので、宿泊施設と外国語のサイン(案内)を整え、海外に情報発信を」と助言した。

 パネル討論に加わった地元のアルセッド建築研究所の清水耕一郎佐賀事務所長は、内山地区が今後、建物の経年劣化などで空き地が顕在化し、産業地らしい景観を失うことを危惧した。その上で「それぞれの景観が公共性を帯びることを認識し、各事業を観光に役立つかの視点で考える『観光まちづくり』を展開することが大切」と強調した。佐賀大肥前セラミック研究センターが主催した。

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