保存会設立20年を記念して実施された餅つき。右から2人目は代表の西野さん=嬉野市塩田町

コウゾの収穫を祝い乾杯する関係者=嬉野市塩田町の鍋野公民館

鍋野和紙の工房と、保存会設立20年を記念して集まった関係者=嬉野市塩田町

 嬉野市塩田町鍋野地区の伝統工芸品「鍋野和紙」の普及を目指している保存会が、今年で設立20年を迎えた。江戸時代に同地区で広まった鍋野和紙は、昭和30年代に一度途絶えたが、2000年に保存会を立ち上げ復活、今年節目の年を迎えた。13日に、鍋野和紙の原料コウゾの収穫祭や設立20年を祝う催しが開かれ、関係者が伝統工芸のさらなる繁栄を願った。

 鍋野和紙は約330年前に始まり、障子紙やちょうちん紙、傘紙に使われていた。ただ、西洋紙の普及などで1963年に生産が終了。その後「伝統が途絶えないように、何とか復活させることができないか」と、元々農業などをしていた西野俊行さん(84)が保存会を設立し、約15人の会員でスタートさせた。現在では、市内の小中学校の卒業証書などに使われるようになった。

 催しでは、餅つきや新年会を兼ねた収穫祭が開かれた。今年は約300キロが収穫できたという。

 現在の会員は6人で、このうち3人が西野さんの後継者として手すきの技術を学んでいる。西野さんは課題として「保存会の高齢化」を挙げる。それでも「塩田は職人の町。伝統を継続させながら町の活性化につながれば」と意欲を見せている。

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