「張込み」時代のボンネットのバスと北村さん(写真提供・北村さん)

 松本清張原作の映画「張込み」は、佐賀でロケされ、60年以上前の1953(昭和28)年に上映された。佐賀の美しい街並みが映画に残され、いまだに話題になる。

 映画の中で車掌役をしたという佐賀市西与賀町に住む北村文子(83)さん。祐徳バスの車掌をしていた北村さんは「当時は最先端の祐徳のボンネットバスを貸し切り、機材も積み、大分県の宝泉寺温泉近くまで行った。そこで撮影し、刑事に答える短いセリフは何回もやり直しました」と思い出を話す。ほんの一瞬の場面にも、時間をかけて撮られていることが分かる。

 車掌役をしたほかの2人も訪ねてみた。

 材木橋から大町橋までの車掌役の広瀬英子さん(83)は「遠い昔のことで忘れてしまいましたよ」と話した。「東多久」のバス停となっているところに出演した田中郁子さん宅を訪ねたが、人の気配はなかった。近くの住民に尋ねると「夫妻は数年前に亡くなりましたよ」とのことだった。(地域リポーター・上原和恵=佐賀市)

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