阿部幸子さん「カット・ペーパーズ」(2019年)

 美をテーマに美の原点を探る展覧会が、福岡県筑後市の九州芸文館で開かれている。佐賀大学芸術地域デザイン学部の花田伸一准教授がキュレーターを務め、作家3人が出展。芸術の出発点を問い直し、芸術と経済が結びつきを強める現代に疑問符を投げかける。

 阿部幸子さん(北九州市)は、約43万枚の白い紙をハサミで約0.5ミリ幅に切った紙片でインスタレーション作品「カット・ペーパーズ」を構築する。雪のように降り積もる細かな手仕事から思念が立ち上がる。

 うずたかく写真や資料を積み重ねた元田典利さん(八女市)の作品は、父母の介護や工藤静香などの芸能人・文化人への憧憬(しょうけい)が絡み合う。タイの作家ウティット・アティマナさんの「ビューティ・オブ・ライフ」は、芸文館周辺の美術家や職人の作品を借り受けて作った。作家らの地域との関わりや創作活動を紹介し、芸術とは何かを見つめる。

 花田准教授は「アートは社会的規範からこぼれ落ちるものをすくい上げるものであってほしい」と話し、「とことん内面を掘り下げる展示を楽しんで」と呼び掛ける。

 ■九州芸文館=0942(52)6435=で26日まで。入場無料、月曜休。

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