窯から取り出した作品を手に取る十四代今泉今右衛門さん=西松浦郡有田町の今右衛門窯

作品の出来栄えを確認する井上萬二さん=西松浦郡有田町の井上萬二窯

 西松浦郡有田町の重要無形文化財保持者(人間国宝)の窯で6日、仕事始めの「初窯出し」が行われた。色鍋島の十四代今泉今右衛門さん(57)と、白磁の井上萬二さん(90)が、昨年末に火入れした作品の仕上がりを確かめ、安堵(あんど)や納得の表情を浮かべた。

 今右衛門窯では神事に続いて、薪(まき)窯の入り口をふさいでいたれんが「トンバイ」を外し、約270点を取り出した。

 新作で高さ約50センチの大作「色絵雪花墨色墨はじき四季花文花瓶」を手にすると、「グレーの色合いが落ち着いた感じに上がり、ほっとした。色絵をつけると、追究する華やかな状態に出来上がるのでは」と期待した。「世界がどうなるか分からない時代だが、一つ一つの仕事を丁寧に、正面から時代に挑むしかない」と今年の抱負を述べた。

 作品は東京・銀座和光や大阪市の高島屋での個展などに出品する。

 井上萬二窯では、萬二さんと長男の康徳さん(61)、孫の祐希さん(31)の3代の作品約100点をチェックした。

 緑釉をかけ分けた白磁緑釉花文面取花瓶や菊形小鉢など半分が新作という萬二さんは「そろそろ子や孫の世界を広げなければ」と話し、今年は親子3代展を3回開く。44年連続となる6月の銀座和光の個展も3代展を兼ねて開催する予定。

 昨年12月に米ニューヨークで講演するなど精力的に活動する萬二さんは「生ある限りやろうと思う」と話し、現地での作品展の年内開催に向けて話を進めているという。

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