にぎわいを見せるSAGA BAR=佐賀市のJR佐賀駅構内(佐賀県提供)

手触り、口触りなどこだわって作った県産ヒノキのぐい飲み=佐賀市諸富町の飛鳥工房

 気軽に佐賀の銘酒が味わえる立ち飲み形式のバー「SAGA BAR」が佐賀市のJR佐賀駅構内に開設して半年が過ぎた。一日平均50人程度、これまでに約7千人(昨年12月22日現在の推計)が訪れ、県外の観光客がバーを目当てに立ち寄る姿も見られる。日替わり女将(おかみ)と一緒に県内蔵元の社長らがカウンターに立つ企画もあり週末は行列ができるほど。酒だけでなく県産ヒノキのぐい飲みなど酒器が評判を呼び、周辺の陶器店や飲食店にも波及効果が出てきている。

 「SAGA BAR」は佐賀の玄関口で地元の酒や器、ワラスボなどのつまみをアピールできる場として、県が昨年6月、さが県産品流通デザイン公社と連携してオープンした。今年3月中旬までの期間限定の予定で、県内25の蔵元の酒が味わえる。

 「週末はオープンの午後4時前には列を作って待っていただくのが恒例となった」。日替わりで接客する女将の一人、庄島瑞恵さん(48)は手応えを語る。平日は地元の客が多く、佐賀弁が飛び交う一方、休日は他県の方言が混じってくる。年末年始はSNSで知った帰省客も多く立ち寄った。

 客が各蔵元と直接話せる機会を企画、日曜日は蔵元の社長など関係者が交代でカウンターに立つ。酒の感想を直接聞けるのは蔵元にとっても貴重な機会となっている。「ここを目的に佐賀に来たと言う客もいる。3月の終了を前に一度は来たくて訪ねたと言う人もいる」(女将)と、期間限定が来店を後押ししている側面もありそうだ。

 天山酒造(小城市)の七田謙介社長(49)は「電車を待つ間の少しの時間に一杯楽しめるのが好評」と話す。営業期間は残り3カ月を切った。「新酒の季節で、25蔵それぞれの個性が光る。ぜひ飲み比べてお気に入りの一杯を見つけて」と呼び掛ける。

 8月末の豪雨で店内は10センチ浸水した。1日休業してJRの職員や県酒造組合などの関係者が清掃し、翌日には営業を再開した。9月以降は浸水被害が大きかった東鶴酒造(多久市)、天山酒造、窓乃梅酒造(佐賀市)の酒の注文が相次ぎ、「お酒を飲んで復興支援をしようとの動きを感じ、皆さんの優しさを感じた」と庄島さん。PR以外の効果も生まれた。

 酒を提供する器では、有田焼、肥前ビードロに加え、県産ヒノキを使ったぐい飲みが好評を得た。人気が高まり諸富家具振興協同組合が昨年創立40周年の記念品として50個を配った。「県産ヒノキでぐい飲みを作ってみるのも面白いのでは」と提案した佐賀市諸富町の飛鳥工房(廣松利彦代表)が請け負い、商品化に結び付いた。同工房や駅近隣の陶器を扱う店には県内外から「『SAGA BARで使った器がきれいだったので』と立ち寄り、商品を見ていったり購入したりする人もいる」と、地元商店への効果も広がりを見せている。

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