スナックでカラオケに合わせて踊る施設利用者たち=昨年11月、唐津市中町のZAZABY

スナックでカラオケを楽しむ施設利用者たち=昨年11月、唐津市中町のZAZABY

 佐賀県唐津市内の介護事業所などの施設を利用する高齢者に、スナックでお酒やカラオケを楽しんでもらう取り組みが始まっている。普段、夜間に外出しない高齢者にとって、気分転換や息抜きの場となり、参加者や職員の評価も上々だ。

 同市中町のスナック「ZAZABY(ザザビー)」が店舗を提供、それぞれの介護事業所が持ち回りで料理と飲み物の準備などのお世話を行う。料金は高齢者、職員共に1人2千円。2018年の11月から3カ月に1回のペースでこれまで5回開催し、五つの事業所から施設生活者や通所利用者など延べ約60人が参加している。

 きっかけは18年10月、複数の介護事業所の職員たちが同店で飲んでいる際、「利用者たちは外に飲みに行くことがない。そういう機会をつくろう」と意気投合したことだった。同店経営の脇山美智子さん(63)も共感し、店舗提供で協力。店名もこのときだけは「KaigoBar(介護バー)よろよろ」に変わる。

 昨年最後の開催となった11月中旬。午後6時半ごろ、高齢者たちが続々と来店し、複数の施設から職員も含め約30人が集まった。中には「久しぶりの外出だから」と着物姿で来店する女性たちもいた。

 会話が弾み、お酒も進む中、約2時間、カラオケで演歌や歌謡曲を歌い続けた。踊り出す人もおり、店内は手拍子と笑いであふれた。初めて参加した同市西唐津の増本シモ子さん(93)は「お酒やカラオケも久しぶりで、こんなに楽しいとは夢にも思わなかった。ぜひまた参加したい」と喜んだ。

 取り組みを知った他の事業所からも「参加したい」という声も上がっているという。発起人の一人で、介護事業所を運営するスマイルソーシャルワーカーズ(同市町田)の小塚洋社長(46)は「高齢者の人たちは自分でアクションを起こしにくく、日常生活の刺激になっている。草の根で少しずつ取り組みが広がっており、今後も続けたい」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加