カリブ諸国の指圧研修センター設立を構想した黒岩春地さん。手にするのは国旗と現地のノート=佐賀市白山の県国際交流協会

指圧研修センターが開設されるセントルシアの視覚障害者協会(提供)

 佐賀県国際交流協会理事長の黒岩春地さん(63)が、中南米カリブ諸国のセントルシアで立ち上げ準備を進めてきた視覚障害者向けの「指圧研修センター」が、1月中旬に開設されることになった。国際協力機構(JICA)のシニア海外ボランティアで活動した時から携わり、帰国後も関わってきた。今後も県内で募金活動を続け、カリブ海に浮かぶ小さな島に支援を送る。

 セントルシアは面積が兵庫県の淡路島とほぼ同じ広さで、人口は佐賀市より少ない約18万人。黒岩さんは県職員を定年退職したのを機にシニアボランティアに参加して2016年9月から2年間派遣され、視覚障害者の支援に携わった。全盲の人は2千人と言われ、多くは仕事がなくて家に閉じこもっている実情を目の当たりした。

 日本の盲学校で生徒が指圧療法を学んで就労につなげていることや、ケニアやインドなどで視覚障害者に指圧の技術を教える国際協力の事例をヒントに、セントルシアで普及させるプロジェクトを考案した。人材養成の指圧研修センターを設立する計画書を作成して関係機関に理解と協力を求め、現地のテレビに出演して寄付を呼び掛けた。

 「目の不自由な人が自立できる道筋をつくりたいという思いだった。外国人の自分の夢を、現地の人たちが理解してくれているのを実感した」と黒岩さん。JICAによる専門のボランティアの支援やカリキュラムもめどを付け、帰国した後は後任の隊員とやりとりしながら助言した。

 研修センターは首都カストリーズの視覚障害者協会の施設内に1月13日(現地時間)に開設することが決まった。視覚障害者6人が1年間学ぶ。今後、中米のニカラグアで指圧の指導経験のある講師がシニア海外ボランティアで派遣される。取り組みを通じて障害者の就労や自立を促すとともに、外国人観光客への指圧のサービス提供など観光振興も目指す。

 黒岩さんの構想は10年計画で、センターがカリブ諸国の指圧研修の拠点になる将来像を描く。現在は「カリブの夢SHIATSU(指圧)プロジェクト」と銘打ち、現地のノートを500円で販売して支援金に充てる活動を続ける。黒岩さんは「センターを現地の人たちで定着させてもらうのが願い。佐賀で地球の裏側にある島国のことを伝え、応援する人を増やしていきたい」と話す。

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