女性の活躍推進などについて思いを語る小林万里子副知事=佐賀県庁

 女性活躍推進法の施行や働き方改革に伴って「女性活躍」に対する機運が佐賀県内でも高まりつつある。女性の管理職の増加など社会の変化が見られる一方、企業や地域には「男性優位」の意識が今なお残る。県内でリーダー的な立場に就いて活躍する小林万里子・県副知事と、小坂智子・佐賀大学芸術地域デザイン学部長に自身の経験や問題意識、今後の展望などについて聞いた。

 ―自身のキャリアを振り返って、社会における「女性の活躍」は進展していると感じるか。

 私が旧文部省に入省した当時は、同期24人のうち女性は4人だった。出向先一つとっても、女性は国立大学の事務局が多く、大使館など海外に赴任することは少ないなど、男性とは差があった。電話に出ると「男性の上司を出せ」と言われることもあった。現在は中央省庁で女性の採用が増えている。文科省では入省者の半数が女性だ。リーダーがシステムとして意識的に女性を採用し、ロールモデルを形成してきたからだと思う。

 ―佐賀県の県民性や地域性について感じることは。

 佐賀県は県域がコンパクトで、福岡県という大都市に近い。東京に比べると通勤や子育ての面でも条件が良いと感じている。佐賀の皆さんは優しくて余裕がある印象で、女性は芯が強いが奥ゆかしい。

 ―副知事という立場から、女性の活躍推進や男女共同参画をどう進めていくか。

 佐賀県は共働きの世帯の割合が高いが、全国的な傾向と同じく女性の管理職は少ない。政治の分野でもそうで、全体としてもっと増えて欲しい。そのためにはシステムとしてある程度意識的に増やすしかない。もう一つはロールモデルで、県として活躍している女性を発信していく。女性にキャリアの選択肢を示すことになるし、雇用する側にとっても、好事例を見せることが有効だと思う。

 県庁内でも女性の管理職が増えているが、優秀で安定感があり、佐賀豪雨での対応もきめ細やかで行き届いていたと感じた。役職に就き、責任を持ってやるという機会をきちんと用意することが大事だ。

 ―女性活躍推進法の施行から4年。法が描く理想像に近づくには何が必要か。

 佐賀県も「子育てし大県」として取り組んでいるが、待機児童をなくすなど保育環境を整えることが必要だ。ワーク・ライフ・バランスも欠かせない。現代社会には多様な人がいて、その人たちの個性や得意なこと、経験が生かされることが大事で、いろんな人が自己実現し、活躍できる佐賀県が良い。その中の一つに女性活躍もあると思う。

 ―同じ女性リーダーとして、小坂氏へのエールを。

 有田焼という伝統文化をベースにした人材育成という「継承」と、産学連携を核とした「創造」の双方に取り組んでいる。本当に期待している。

 

こばやし・まりこ 1968年生まれ、東京都出身。慶応大学経済学部卒。政策研究大学院大学政策プロフェッショナルコース博士課程修了。1993年に旧文部省に入省。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の一等書記官としてパリ派遣を経験した。文化庁文化資源活用課長などを歴任、19年6月に女性として初めて佐賀県副知事に就任。

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