人手を増やし、保育士の休みを確保することでさまざまなメリットを生み出しているみどり保育園=多久市東多久町

 みどり保育園(佐賀県多久市)は、休みが少なく、取りづらいといわれる保育園で、徐々に人手を増やすことで10年がかりで有給休暇取得率100%(2018年度)を達成した。働きやすい職場は園児の増加やけがの減少、職員の当日休みの減少といった好循環を生んでいる。

 取り組み開始は2008年。当時、園児は減少傾向にあり、井手利光園長(48)は差別化が必要と考えた。職員に「もっと頑張れ」ではなく、「休もう」と呼び掛けることで優秀な人材を集め、長く勤めてもらおうと考えた。

 まず週40時間労働、完全週休2日制を実現して休日を増やした。さらに休日の取り方も工夫し、職員は休園日の日曜・祝日約70日に加え、有給休暇を含めた40~50日を自分で選ぶことができるようにした。

 保護者からは「先生たちが元気になった」と言われ、口コミの効果か園児数が増加。職員の目が行き届いて園児のけがが減り、労働効率が上がった。職員の当日欠勤が減り、採用活動も有利になったという。フルタイム職員が10人だったが、ここ5年はフルタイム換算で15人。代わりがいるので平日も3人まで休める。増員は人件費が最大の壁となるが、園児が増えた増収分を充てた。

 「増員は常に機会をみながら粘り強く進めるしかなく、有給休暇100%取得まで10年かかった」と井手園長は話す。増員はメリットが見えないと実行が難しいが、「働きにくいままだと人材は集まらず、さらに厳しくなるのは明らか」といい、働きやすい環境づくりの意義を語る。

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