高校美術部の生徒や画家らが手掛けた天井絵馬=小城市牛津町の乙宮社

中殿には、城島旗染工の城島守洋さんが描いた竜の絵が奉納された

 小城市牛津町の乙宮社(西川祠夫宮司)で高校生や画家らが手掛けた天井絵馬が完成した。長崎街道を通る小城藩の大名行列や宿場町、牛津の地名の由来になったという鎮西八郎為朝の黒髪山の大蛇退治など、約60人が丹精込めて描き上げた140枚の絵馬が拝殿を彩る。

 乙宮社は1165(永万元)年、鎮西八郎為朝の大蛇退治祈願のため、鎌倉八幡宮を勧請して若宮八幡神社として祭ったのが始まりとされる。

 現在の拝殿と中殿は1937年に落成。天井には和紙に描かれた竜の絵があったが、ガラス戸がなく、53年の台風で風雨にさらされ、消失した。15年に850年大祭を迎えたのを機に、氏子団体が天井絵馬の制作を企画。依頼を受けた画家や美術教師と、牛津、佐賀女子、佐賀北、小城、鳥栖の高校美術部生徒が3年かけて140枚をアクリルで描いた。

 「牛津」という地名の由来とされる、為朝が黒髪山の大蛇を退治してうろこを牛で運んだ伝説は、七つの場面を物語風に再現。天井の中心には小城藩の大名行列を据え、その中には長崎街道を通って江戸へ向かったゾウやラクダの姿も描いた。ほかに「牛津宿」をはじめ、街道の宿場町や小城藩の家紋「杏葉紋」、長崎街道の宿場町や干支、花、春と秋の七草など、郷土色や季節感あふれる絵馬が並ぶ。中殿には、地元の城島旗染工の城島守洋さん(65)が竜の絵を木板に描いた。

 竜の天井画があった頃を知る乙宮社総代の小栁袈裟治(けさじ)さん(80)は「昔のように天井がにぎやかになる」と喜び、西川宮司(77)も「とりわけ牛津の地名にまつわる大蛇伝説を描いてもらい、ありがたい」と感謝した。宿場町の一つを描いた佐賀女子高3年の倉持綾愉子あゆこさんは「丁寧に描くことを心掛けた。全体的にも統一感があり、華やかに仕上がった」と充実した表情を見せる。

 天井絵馬は、乙宮社に連絡すれば見学ができる。問い合わせは乙宮社、電話0952(66)4769。

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