タイラギの標本を手に漁業被害を訴える平方宣清さん(中央)=長崎県諫早市の潮受け堤防展望所

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、潮受け堤防排水門の開門を求める市民らによる集会が23日、長崎県諫早市で開かれた。市民ら約140人が干拓事業の現場の今を視察。堤防閉め切りで生活が一変したという漁業者が、裁判長期化による関心低下への懸念を訴えた。

 開門を巡る請求異議訴訟は来年2月21日、福岡高裁で差し戻し審の第一回口頭弁論が開かれる。国と争う当事者を孤立させず、開門実現に向けた運動の機運を高めようと開いた。

 諫早湾を隔てた堤防道路にある展望所で、藤津郡太良町の漁業者平方宣清さん(67)がマイクを握った。かつては豊漁だったタイラギを手に「閉め切り以降、海では無残にも多くの魚や二枚貝が死んだ。裁判所に漁業者の声を届けるため、力を貸して」と呼び掛けた。

 干拓農地では、開門を求める農家が野鳥による深刻な農作物被害などを報告した。同行した坂口祐樹県議(自民)は「農地の食害は一目瞭然だった。有明海再生のためには、開門調査が必要だ」と述べた。

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