キャッシュレス化で支払い時間が短縮されるため「陶器市などお祭りのときにも有効ではないか」と期待を寄せる亀井鮨の店主古川次則さん=有田町の同店

 現金を使わずに支払うキャッシュレス決済。10月の消費税増税に伴いポイント還元制度が導入され、佐賀県内でもキャッシュレス決済ができることを表すポスターやシールを掲示する中小店舗が増えている。県内のポイント還元制度の加盟店舗は5千店を超えた。事業者向け説明会もあり、さらなるキャッシュレス化を促す動きが出ている。

 キャッシュレス決済には、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンを使ったQRコードによる決済がある。電子マネーは、セブン&アイ・ホールディングスのnanaco(ナナコ)やイオンのWAON(ワオン)、JR九州のSUGOCA(スゴカ)などがあり、事前に現金をチャージして使う。ペイペイや楽天ペイ、オリガミペイといったQRコード決済は、スマートフォンにアプリを入れ、銀行口座からチャージしたり、クレジットカードとひも付けたりした上で、QRコードやバーコードを読み取って支払う。

■都市から地方へ

 電子マネーやクレジットカードをよく使うという日本銀行佐賀事務所の蔵本雅史所長は「自分のライフスタイルに合わせて使い分けることが大切」と話す。約30円値上げしたたばこ代の2%がキャッシュバックされたり、国とスーパー独自のポイント還元制度で10%返ってきたりと「値上げ分の半分は得する。家計のやりくりにも効果的」と指摘する。「キャッシュレスの動きは都市部から地方にさらに広がっていく」と期待を示した。

 経産省によると12月11日現在、県内のポイント還元事業に登録する加盟店舗数は5177店。ペイペイとオリガミペイを導入した有田町のすし店「亀井鮨」は、県外からの観光客に加えて、台湾や中国、韓国などアジアを中心とした外国人観光客の利用が1~2割増えた。釣り銭を渡す手間が省けたほか、決済処理も早いといい、店主の古川次則さん(67)は「導入前は半信半疑だったが、思い切って入れてよかった」。佐賀市の「やきとりいちりん」もクレジットカードの利用が1~2割増えた。客の要望に応えてペイペイも導入し、店主の栗原一郎さん(41)は「まだまだ勉強中だが時代の流れに乗っていかないと」と話す。

■事業者に説明会

 キャッシュレス化を検討している事業者向けの合同説明会も開かれている。11月に佐賀市であった説明会では、スクエアやペイペイなど3社の決済事業者が、手数料や提供するサービスなどを説明した。

 エアレジなどを提供するリクルートライフスタイル(東京)の担当者は、個人の外国人観光客が増加して従来の観光地以外にも訪れていると分析。その上で「消費を伸ばすために(クレジットカードやQRコードでの決済を)整えておくことが大事」と呼び掛けた。「現金禁止」にした都内の雑貨店の事例を紹介し「レジ締めといった業務の縮小が他のサービスの向上につながる」と助言した。

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