絵本のような鮮やかな色使いで描く加茂賢一さん=佐賀市城内の佐賀県立博物館

 県障がい者文化芸術作品展の一角には、次席に選ばれた唐津市の加茂賢一さん(43)が、新作など7点を並べたブースを設けている。加茂さんは社会福祉法人東京コロニーが設立した障害者アーティストを支援する「アートビリティ」の登録作家。16~22日は、福岡市のアクロス福岡で初の個展を開き「いろんな人が来てくれるとうれしい」と話す。

 精神障害がある加茂さんは、約10年前に入院していた病院で絵画を始めた。自身と同姓同名の祖父に特別な思いを抱き、祖父が戦時中にアジア圏で撮った写真や遺品から着想。東南アジアの動物や建物などがモチーフという。

 次席に選ばれた「隔たりのない時空 タイの大理石寺院」は油性ペンで点描し、優しい色使いに仕上げた。寺院が映った白黒写真は「今の姿と見比べても建物の景色が変わらなかった。時代を経てもそのまま残る空間を意識した」と話す。

 個展では絵画30点を展示する。近年は点描画やペン画、大胆な筆遣いが目を引くキャンバスシリーズに取り組む。絵本のように鮮やかな色使いは、花を育てる園芸の仕事で研ぎ澄まされたという。現在は製薬会社に勤めながら制作し「良い作品にするために、描き方も少しずつ変化していきたい」と意欲を見せる。

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