九州新幹線長崎ルートの開業に伴い並行在来線となる肥前山口-諫早の鉄道施設維持管理費に絡み、長崎県は12日の長崎県議会総務委員会で、鉄道施設を管理するために佐賀県と来年度中に設立する一般社団法人の運営費が年間1億6千万円になるとの試算を明らかにした。鉄道施設維持費は、この運営費を含め、当初想定の3倍以上の年間8億5千万円程度となる見通しも示した。

 同区間は2022年度の長崎ルート暫定開業後、JR九州が23年間列車を運行し、両県が鉄道施設を所有・維持管理する「上下分離方式」を採用する。維持費は第3セクターの松浦鉄道(MR)を基準に年間2億3千万円と試算し、負担割合は08年4月に「佐賀県1対長崎県2」で合意。その後、「運行事業者が保守管理することが原則」との国土交通省の見解を踏まえ、維持管理はJR九州に委託することに決めた。

 増額の要因について、長崎県は人件費や資材費の高騰に加え、線路や信号機を24時間監視する設備指令業務費や保守レベルがJR基準に上がったことや、新法人の運営費としている。また鉄道橋やトンネルの修繕費など設備投資費用も必要になるという。

 長崎県は議会で、両県の増額分の負担割合について「当時想定されていない費用で、新たな合意が必要」との認識を改めて示した。その上で「経費の全体像を明確にして佐賀県と一緒にJR九州にコスト縮減を働き掛けていきたい」などと答弁した。(長崎新聞)

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