佐賀県教育委員会は、2020年度に実施する公立学校教員の採用試験から、全ての試験区分で受験年齢の制限を満49歳以下から満59歳以下に引き上げることを決めた。年齢の引き上げは満39歳以下から10歳引き上げた18年度以来で、定年退職を60歳で迎える教員としては実質的な受験年齢の撤廃になる。不足している教員数を増やすための対策で、100人程度の受験者の増加を目指している。

 県教職員課によると、19年度の教員採用試験の倍率は小学校1・3倍、中学校3・1倍、高校7・3倍で、小学校は1989(平成元)年度以降で最も低かった。ピークは小学校が2000年度に15・4倍、中学校が1998年度に17・6倍、高校が2005年度に20・0倍だったが減少傾向が続いている。

 定年による小学校教諭らの大量退職に備えて採用数を増やす一方、受験者数が減少していることが倍率低下の要因と県教職員課は分析する。さまざまな分野で人手が不足し、人材の奪い合いになっており「大学で教職課程を取ったとしても企業に就職する人が少なくない」と説明する。

 県内の小中、高校には50代の講師が約150人在籍しており、受験年齢を満59歳以下に引き上げることで受験の機会をつくる。県教職員課は「採用が少なかったころに不採用になった人の中には優秀な人がいる。正規職員として1年以上働いてもらいたい」と話す。

 年齢制限の撤廃に加え、試験の免除や試験内容の見直しもする。大学院を卒業することで取得できる専修免許状を所有しているか、21年3月末までに取得見込みの受験者を対象に、1次試験の一部を免除する。

 実技試験は、中学校教諭らの「技術実技」や中学校・高校教諭らの「家庭実技」を、差異があまり生じない点から廃止する。指導力などを重視するため、技術的な違いが生じにくい「持久走」も中学・高校教諭の保健体育の実技試験からなくすことも決めた。

 20年度に実施される採用試験の日程や試験内容の詳細は来年5月ごろに公表される。

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