保存修復作業が進められている十三番曳山「鯱」=唐津市北城内の西ノ門館

 唐津くんちの13番曳山「鯱(しゃち)」(水主町)の31年ぶり4回目となる保存修復が、唐津市北城内の西ノ門館「曳山の蔵」で行われている。石川県の伝統工芸である輪島塗の職人の技術で修復作業を進めており、11日には請負業者で田谷漆器店(輪島市)十代目の田谷昂大さん(28)が唐津を訪れ、進捗状況を見守った。

 「鯱」は1876(明治9)年に制作。台車も含めた高さは約6・5メートル、長さは4・6メートル、重さは約2・2トン。これまで1930(昭和5)年に一度造り替え、66(同41)年と88(同63)年に修復を行った。

 修復は昨年5月の唐津曳山保存検討審議会で決定。事業費は国、県、市の補助と水主町の負担で約5300万円。11月5日に唐津神社で安全祈願祭を行い、曳山の蔵に運び込まれた。

 現在、塗師2、3人が常駐し週6日作業する。ひび割れや漆のはがれを調べ、古く痛んだ塗膜を手作業でかき落としている。今後は下地補修、中塗り、上塗り、箔押しなどを経て来年9月の完成を目指す。

 田谷さんは「小さい子が大人になっても誇れる『鯱』になるよう修復したい」と話し、水主町町内会長で保存修復事業実行委員会委員長の古瀬俊明さん(66)も「輪島の技術で、将来の世代に引き継がれてほしい」と期待を寄せた。

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