赤羽国交相との会談後、「協議入りに向けて確認作業をすることで一致した」と述べた山口知事=東京・霞が関の国交省

 フル規格で整備するとした与党PTの結論をなきものにすることはできない。かと言って「フル規格ありき」では佐賀県が協議に応じない-。国交省は与党に「PTの方針を重く受け止める」と述べ、県には知事が求めてきたフル規格以外の方式を含めた「5択」での議論に事実上、応じる姿勢を示した。両者を立てつつ、膠着(こうちゃく)状態を動かしてみせたが、県と国の認識の溝は埋まったとは言い難い。

 国交省がイメージする5択の議論は、フル規格以外の方式では駄目な理由を整理するもので、結論はおのずとフル規格に収れんされていくという自信がのぞく。財源議論に取り残されないために、来年度予算にアセス関連予算を計上する必要があるとの認識も変わらない。

 一方、県は「将来の新幹線議論の門戸は閉ざさない」というスタンスで、全く急いでいない。国交省との認識の違い、特に「時間軸」の溝は深い。

 山口知事は「『フル』と書かれた協議のテーブルには着かない」と繰り返してきたが、「県議会はフル賛成派も反対派も『協議には応じるべき』とのムードに変わってきている」(県職員)との見方が強い。

 国交省幹部は「知事には大きな一歩を踏み出していただいた」と会談の成果を強調した。協議のテーブルには「5択」と書かれたクロスがかけられたが、その下は消えない文字で「フル」と書かれたまま-。こうした状況の中、県は協議入りの判断に向けて難しい対応が迫られる。

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