「デザインで戦略を組むと考え方や活動が変わってくる」と話す柳原照弘さん=有田町の佐賀大学有田キャンパス

 有田焼創業400年事業でクリエイティブディレクターを務めたデザイナー、柳原照弘さんの講演会が6日、佐賀県有田町の佐賀大学有田キャンパスで開かれた。デザイン・ストラテジー(戦略)をテーマに、「魅力を伝える見せ方が有田焼の課題」と指摘した。

 柳原さんは国内外で手掛けた事業に触れながら、戦略の重要性を解説。「どういうことをしようとしているか、ブランドの理念を明確にし、それを可視化するのがデザインの仕事」とし、「デザインとは、プロジェクトの理念を共有するためのもの」と説明した。

 バブル崩壊以降に売り上げが10分の1に落ちた愛知県の家具メーカーによる海外展開の例も挙げた。技術は残しながら、海外向けのサイズや色にし、自由に組み替えられるフレキシブルな家具にした戦略を紹介した。

 有田焼では、商社と取り組んだブランドについて「絵付けや高台がなく、『有田焼ではない』と言われた。しかし、新しいものに挑戦し続けたのが有田焼の歴史。結果、この商品は海外のレストランでも多く使われている」と成果を強調。海外のデザイナーと組み、県の有田焼創業400年事業で開発したブランド「2016/」では、海外での認知度が上がったとした。

 しかし、「有田焼には技術を伝えるための見せ方、デザイン戦略がまだ足りない」とし、従来の価値観ではなく視野を広げた戦略の必要性を訴えた。講演会は公益財団法人窯業教育振興会が開いた。

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