Q 地方自治体の公金の使途について、市民が調査する方法はありますか。また、調査の結果不正があった場合、不正を是正させる手続きはありますか。

 A 第一に情報公開請求を利用して関係する公文書を入手します。公文書の名前が分からなくても、自治体窓口の担当者に何を知りたいのかを説明すれば開示したい公文書を特定することができます。公文書は原則15日以内で開示されます。仮に非開示処分となってそれに不満がある場合は3カ月以内に審査請求をすることができます。

 第二に、公文書を分析して不正があると考えられる場合、住民訴訟を提訴する前提として市の監査委員に対し住民監査請求を行います。もっとも監査請求の対象は原則として1年以内の公金支出に限定されます。例外的に1年以上前の公金支出でも、公文書の公開や新聞報道で住民が知り得る状況になってから速やかに請求をした場合には認められるとする裁判例もあります。1年以上前の支出に不正があると考えた場合、速やかに手続きを行う必要があります。住民監査請求が認められれば、議会や首長などに対して必要な措置の勧告が出されます。

 第三に、住民監査請求が却下または棄却された場合、30日以内に裁判所に住民訴訟を提訴します。住民訴訟は住民が地方自治体に対して、「地方自治体が、不正な公金の支出先から公金を返還させ、または不正な公金支出の責任者(自治体首長個人を含む)に損害賠償をすること」を求める訴訟となります。住民監査請求、住民訴訟は、憲法の住民自治の理念、ひいては民主主義の原理に基づき、住民の手で地方公共団体の運営の適正化を求める制度です。不正が疑われる場合には同制度を活用して、不正を改めさせるきっかけにすることができます。ぜひ弁護士にご相談ください。

(嬉野市 弁護士 藤藪貴治)

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