インタビューに応じる優木まおみさん=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 女性特有のがんによる死亡率低下を目指す佐賀県の旗振り役として、女優の優木まおみさん(佐賀市出身)が「県女性のがん対策応援団」に任命された。11月26日に佐賀市で開かれた女性のがんをテーマにしたトークセッションに登壇した優木さん。女性として、また2人の子どもを育てる母親として、県内の現状について考えることなどを優木さんに聞いた。

 ―佐賀県は子宮がんや乳がんの死亡率が全国ワースト水準。率直にどのように受け止めるか。

 優木 すごく残念だという思いと、(悪い状況が)分かるなという気持ちがある。私の父も母も「忙しいから病院に行けない」「検査なんかやってる暇ない」とか、少し体がつらいときも検査してみようとはならず、自力で我慢して治そうとする。「我慢する美学」みたいな県民性があるのかなと思う。そのマインドから変えていかないといけない。

 子宮頸(けい)がんの場合、自覚症状がないので気付かずにそのまま悪くなってしまって「もう無理」というときには手が付けられなくなっていることがあり得る。20代~40代がかかりやすいといわれているが、そこが終わったからといって終わりにせず、子どもたち世代に検診を受けることの大切さなどを伝えていかないといけない。

 ―「我慢する美学」というマインドを変えていく必要性を話したが、どのように変えていけばいいと考えるか。

 優木 変えることは簡単ではない。私は2歳と5歳の女の子の母親だが、子育ての中で、あなたは唯一、かけがえのない一人で、とにかく大切な存在だと伝えていくことを一番大切にしている。あなたが元気であることが、周りのみんなを元気にしてあげられる、とても意味のある存在で大切な人だということを大事にしていて、そこが根底にあることが、自分の体をいじめないというか、大切にしていくことにつながる。そうすることで、自分が大切ということはみんなも大切と、人のことも大切に思えるように育つ。子宮頸がんのことだけに限らず、自分の体に目を向ける、大切にする、体をむやみにいじめないで心の声を聞くようにしていくことが、マインドを変えていく上では必要になってくると考える。

 ―佐賀県は全国で初めて全県下でのHPV(ヒトパピローマウイルス)検査の無償化を始めた。県の取り組みをどう感じるか。

 優木 自分の身は自分で守りなさいということではなく、県が一人一人の命を大切にし、全体的に健康的に元気に生きていってほしいという意思表示のように感じてすごくありがたい。検診を受けるのは習慣にしていくことが大事なので「無料で検査を受けられるなら行ってみようか」と思ってもらえれば、すごく意味のある一歩になる。こういう流れが佐賀から生まれて、全国に広がっていくことはすごくうれしい。

 ―県女性のがん対策応援団に任命された。どのように活動していきたいか。

 優木 人間は行きなさいと言われると逃げたくなる。しなければいけないと言われると、あまのじゃくの部分が出てしまう。いま、2歳のイヤイヤ期と向き合っていて思うが、なぜ行きたくないのか、なんで抵抗があるのかを聞くことも大事。

 若い女の子が婦人科で細胞を取ること自体に抵抗があるという気持ちはよく分かる。ただ、婦人科に行くことは本当に大したことじゃないし、そんなことで人生を棒に振らないでという思いがある。もっと大切なことがあるというのを伝えていくことが大事。婦人科に行くことは仰々しいものではない。検診は「お茶を飲みに行く」ぐらいの気軽に行けるものになってほしい。その後押しをしていきたい。

 ―検診の受診に悩む県内の女性にメッセージを。

 優木 それぞれの年代や男女でかかりやすいがんがある。子宮頸がんに関しては、私たち世代か、それよりも下の世代の若い子に関係が深い部分がある。自分には関係ないと思わず、気軽に検診を受けてほしい。佐賀県は無料でHPV検査を受けることができるので、周りの友達を誘ってみんなで受けようとか、そういう気持ちで受けてほしい。子どもが欲しいときに子宮を取らなければいけなくなる前に、一歩踏み出してもらいたい。

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