ツタンカーメンのずきん(上)と下着(ふんどし)(C)GEM/JICA(撮影:小笠原勇介)

 ツタンカーメンの時代もおしゃれは下着から? 黄金のマスクで知られる紀元前14世紀の古代エジプトの少年王「ツタンカーメン」の副葬品から見つかった服飾品を分析した結果、最も上質の亜麻布が下着に用いられていたことが明らかになった。佐賀大学芸術地域デザイン学部の石井美恵准教授=染織品保存修復科学=が、東京でのシンポジウムで発表した。

 副葬品は墓の前室から発見された。服飾品はチュニック(貫頭衣)、ふんどし型の下着(ローインクロス)、足袋に似た形状の靴下、アーチェリー用と考えられる手袋、ベルト、ずきん(ネメス)など約400組が見つかっている。このうち、石井准教授は57組の保存修復を担当している。

 高精細のデジタル顕微鏡で素材や状態を調べた結果、服飾品はすべて同じ亜麻の糸を使用していた。1センチ当たりの織りの密度を計測すると、下着は75~80本と最も緻密に織られており、ずきんは42~46本、手袋は30本と粗かった。

 ツタンカーメンの下着は146枚見つかっており、石井准教授は「とても細い糸で織られていて、上等な布が下着に使われていた。レプリカも作成して使い方などを確認した」と話す。

 エジプトでは来年、カイロ郊外のギザに世界最大級となる大エジプト博物館が開館する。日本が支援しており、ツタンカーメンの服飾品も収蔵される。

 ツタンカーメン王は古代エジプト第18王朝の王で約3300年前に在位した。19歳前後で亡くなったと推定されている。墓は1922年、英考古学者カーターらが南部ルクソールの王家の谷で発見した。

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