アリーナ工事の入札不落や九州新幹線長崎ルートに関する質問に答弁した山口祥義知事(中央)=佐賀県議会棟

 SAGAサンライズパーク(旧佐賀県総合運動場一帯)のアリーナ工事の入札不落に関し、進龍太郎県総務部長は6日、建設費65億円の増額補正が県財政に与える影響について「県債残高は増加するが、財政の健全性は保持可能」との見通しを示した。

 11月定例県議会の一般質問最終日、藤崎輝樹議員(県民ネット)の質問に答えた。アリーナ工事は、入札価格が建設費上限の予定価格を大幅に上回り、不落となった。県はアリーナ単体で60億円、周辺施設も含めたパーク全体で65億円の増額補正案を継続費として議会に提出している。

 進部長は整備費の財源に関し、スポーツ振興くじの助成金や交付税措置のある県債を活用して将来的な公債負担の軽減を図る考えを示した。増額分の65億円については「一番厳しい状況を想定して(交付税措置のない)県債を75%発行し、残り25%は財源調整用基金を取り崩す想定で試算している」と答弁した。

 将来負担する負債が財政規模に占める割合を示す「将来負担比率」については、県は全国4位の健全性を構築していると説明した。パークの整備で10位程度になるとの試算結果を示した上で「財政の健全性は保持可能」とした。今後は国庫補助金や県債の30年償還を活用するなど財政的工夫に取り組み、「影響を最小限にする」と強調した。

 山口祥義知事は10月末の不落から1カ月程度の短期間で審議を求めていることに関し「2023年の国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会開催から逆算すると今議会でお願いせざるを得ない。もっと審議時間があればと大変申し訳なく思う」と述べた。

 このほか、藤木卓一郎、冨田幸樹、宮原真一(自民)、古賀和浩(つなぐ会)の4議員が質問した。

=県議会一般質問ピックアップ=

■児童虐待の防止対策 

 Q 国は児童相談所の職員について、家庭への介入と支援とで分業するように求めている。対応する児童福祉司の増員をどう考えているのか。(県民ネット・藤崎輝樹議員)

 A 介入と支援の分業制の利点は、迅速な介入に向けた初動体制の確立や、重篤事案に特化した対応ができることが挙げられる。現在の児童福祉司の配置基準は人口4万人当たり1人だが、今年4月の児童福祉法施行令の改正で、2022年までに3万人当たり1人になる。佐賀県では28人必要で、現在の22人から6人増やす必要がある。市町支援担当1人、里親支援担当2人の配置も必要なため、計9人の増員が必要で、基準を満たせるように確保に努める。(甲斐直美男女参画・こども局長)

 

■消防防災ヘリの運航 

 Q 消防防災ヘリコプターの運航開始までのスケジュールや経費、訓練の予定はどうなっているか。(自民・冨田幸樹議員)

 A ヘリの納期の20年12月までに格納庫などの施設を完成させ、21年3月までに施設の外構工事など全ての工事を完了させる予定。運航業務委託費や部品、資機材、燃料などの費用は、他県の実績から年間2億5000万円から3億円程度、消防本部から派遣される航空消防隊の隊員9人の人件費を6500万円程度と見込んでいる。ヘリが納入されるまでの間は、消防学校での教育や他県の航空隊に出向いての搭乗訓練を行い、納入後の21年1月からは実機による訓練を県内で重ねていく。(山下宗人危機管理・報道局長)

 

■洪水時のダム運用 

 Q 8月豪雨における13の県営ダムの洪水調節の状況はどうだったか。今後の運用見直しについては。(冨田議員)

 A 今回の豪雨で県が管理するダムでは、流入量と放流量を同程度とする緊急放流を行うことはなく、計画通りの洪水調節を実施したことで下流河川での洪水被害の軽減に効果を発揮したと考えている。国は利水容量の洪水調節への活用を検討する方針を示した。県が管理するダムではこれまで緊急放流を行った実績はないが、雨の降り方は激甚化している。事前放流など洪水調節能力の向上が図られるような検討を進めていきたい。(逢坂謙志県土整備部長)

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