祖父の武藤山治の生涯を語る武藤治太氏=佐賀市の佐賀大

 「日本的経営の祖」と称される鐘紡(現クラシエ)元社長の武藤山治(さんじ)(1867~1934年)について学ぶ講演会が2日、佐賀市本庄町の佐賀大で開かれた。孫で公益社団法人國民會館(大阪)の武藤治太(はるた)会長(82)が山治の生涯や経営方法などを語り、経済学部の学生など215人が聴講した。

 山治は1921(大正10)年から9年間、社長を務めている。講演では、会社の福利厚生を考えて「人間尊重の経営」を実施したことや日本初となる社員の提案制度、社内報の発行に取り組んだことなどを紹介した。

 第1次世界大戦での兵士や遺族への国家の対応を疑問に思い、当時の政治家に書簡を送ったエピソードなど経営者とは異なる人物像も解説。治太氏は「武藤は社会の不正や矛盾を深く考え、正義感があった」と語った。

 講演を聴き、経済学部1年の朝比里緒菜さん(19)は「当時の日本で人間尊重の経営を考えたことが衝撃だった」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加