地方空港の主な行き先別国際線便数

 訪日韓国人客の月別推移

 地方の空港に逆風が吹いている。訪日韓国人客が激減し、韓国路線の運休・減便が長期化しているためだ。経営基盤を強化しようと、韓国を中心に格安航空会社(LCC)の路線誘致を進めてきた空港も多く、影響は大きい。路線を守るため、愛媛県は身内の職員に「私費旅行」を呼び掛けるという奇手を放った。

 ▽懸念

 「人的交流が縮小し、昨今の情勢に心を痛めている」。11月、東京都内のホテルで開かれた韓国観光公社の東京支社設立50年を祝うパーティー。赤羽一嘉国土交通相はあいさつで、日韓対立の長期化に懸念を示した。

 観光庁推計では訪日韓国人客は7月以降、対前年同月比で減少が続き、10月は65・5%減。韓国観光公社によると、9月までは増えていた訪韓日本人客も10月は14・4%のマイナスに転じた。

 10月27日からの国際線冬ダイヤを見ると、地方空港(新千歳、福岡、那覇除く)の日韓路線は3月開始の夏ダイヤ当初に比べ68%減少。観光客の多いLCCの運休・減便が目立ち、ビジネス需要が底堅い羽田空港の日韓路線とは対照的だ。

 ▽「守りたい」

 大分空港は、韓国LCC「ティーウェイ航空」が3路線で週13便を飛ばしていたが、いずれも8月から運休。国際定期便がゼロになった。

 空港本体、ビル運営などの関連事業を合わせると営業赤字が続いており、13億円を投じた国際線ターミナル増改築は5月に終わったばかり。第三セクター・大分航空ターミナル担当者は「一日も早く再開を」と願う。

 韓国LCC「チェジュ航空」が2017年、日本初の地方路線としてソウル便を開設した松山空港。路線は維持されているが、9月の搭乗率は63%に低下。県経済労働部幹部は9月下旬以降、各部の幹部に、職員が私的に搭乗するよう要請。「目標」人数を割り当てて事後報告も求めたため、一部職員から「ノルマのようだ」と批判も出た。

 中村時広知事は「目標を掲げるのは当然。ノルマでも強制でもない」と反論。県幹部は、別の航空会社が運休した過去に触れ「どうしても守りたいという気持ちが強く、担当者は苦労している」と気遣う。

 ▽重要路線

 影響はLCCにとどまらない。大韓航空は今冬、青森―ソウル線の増便を見送った。スキー客に対応し、冬場は週3便から週5便に増やしていたが、最近の搭乗率低迷が響いた。

 青森県は「ソウルを経由して県民が世界のあちこちへ行く。その逆もあり、非常に重要な路線」(三村申吾知事)として利用促進に取り組む。

 具体的には、春休みの学生をターゲットにした新たな海外ツアーづくりを後押しするほか、ソウル(仁川=インチョン=国際空港)を経由した中国や香港、タイからの誘客を進める。【共同】

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