年内で幕を下ろす農産直売所「あゆのさと」。来店を呼び掛ける従業員たち=唐津市七山

1日にデビューした手作り新調味料「ちょいたし」

「最後なので、ぜひ会いに来て」と呼び掛けるあゆのさとの従業員たち=唐津市七山

 唐津市七山仁部の国道323号沿いにある農産直売所「あゆのさと」が年内で閉店する。県内の生産者が作る質の高い野菜や果物などをそろえ、多くの消費者に愛されてきたが、直売所間の競争などもあり、31年の歴史に幕を下ろす。

 2代目の店長を務めた德田裕子さん(70)の父・善亮さんが、「地元の農家に販売する場所を提供したい」と1988年にオープン。以後、裕子さんや娘の和美さん(43)が店長となり、少ない従業員と店を切り盛りしてきた。

 店頭に並ぶ野菜や果物は、市場を介さず、全て生産者が持ち込む。生産者が売りたい値段を設定するため、スーパーや他の直売所よりも割高。その分、味や品質の良さに自信はあるが、「お客さんから『ここは高級直売所だね』と言われたこともある」と裕子さんは笑う。

 多くの生産者と消費者に支えられてきたが、時代とともに食生活が変化した。高齢化や自宅で調理をする家庭の減少などから、週1回通っていた買い物客たちが月1回ほどしか顔を見せなくなった。さらに近年、市内に格安商品を提供する直売所が増え、客足が遠のいていた。裕子さんは「シャッターを下ろすのは本当に残念」と肩を落とす。

 1日に開かれた感謝祭には多くの人が駆け付けた。号泣して閉店を惜しむ人や、これまで買った商品と生産者のリストを渡してくる人もいたという。「お客さんに本当にかわいがってもらったし、生産者にも大変感謝している」と和美さん。30日まで営業を続ける。

■「究極の調味料できた」 県産食材使い新商品

 年内で閉店するあゆのさとで、県内の食材を使った手作りの新調味料「ちょいたし」が1日から販売されている。德田和美さんは「閉店前にいまさらだと思われるが、究極の調味料ができた」と自信を見せる。

 唐津産の食材を使った調味料を作ろうと、2年前から開発に取りかかった。梅みそ、トマト、福耳とうがらしの3種類で、ほとんどの原材料が地場産となっている。和美さんは「ごはんやパンにのせて食べるのがお勧め」と話した。

 3種類セットで1620円(税込み)で、閉店後は市内の別の直売所などで購入できる。

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