講演で「復活させた農村地帯をアフガン全土に広げたい」と夢を語っていた中村哲さん=2014年7月26日、佐賀市のホテルマリターレ創世

 アフガニスタンから届いた福岡市のNGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師の突然の訃報。佐賀県内の関係者にも大きな衝撃を与えた。

 中村さんの義理の姉の山田瑛子さん(73)=佐賀市=は「胸が張り裂けそう。現地の人たちのためにと、あんなに頑張っていたのに…」と顔を覆った。

 中村さんは、大牟田市にある山田さんの実家で、妹の尚子さん(66)と暮らしていた。お盆には顔を合わせ、今年も帰省した際、中村さんが「活動は命懸け。天国と地獄を行ったり来たりしているようだ」と話していたという。

 2008年には「ペシャワール会」の伊藤和也さん=当時(31)=が現地で殺害される事件が起きており、「妹も『いつかは』と覚悟していたのだろうけれど」。対応に追われているであろう尚子さんを案じた。

 「日本でゆっくり暮らしたら」。瑛子さんは、中村さんにこう伝えたことがある。中村さんは「乾いた土地に水が入り、多くの人が故郷に帰ってきたんだよ」と返してきたという。「目の前に苦しんでいる人たちがいる。人生をなげうってでも、救いたかったのでしょう」と静かに話した。

 中村さんは、東南アジアを中心に支援活動を行う佐賀市の「地球市民の会」の創設者古賀武夫さん(故人)と親交があった。同会副理事長の大野博之さん(55)は「ひょうひょうとした様子で活動は危険だけど大丈夫と話していたのが印象深く、まさかと思った。古賀さんは生前、『中村さんにこそノーベル平和賞を与えるべき』と言っていた」と振り返った。

 

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