旧松本家住宅(西日本工業倶楽部)に到着したツアー一行=北九州市戸畑区

福岡市赤煉瓦文化館(旧日本生命九州支店)の外観を眺めるツアー客=福岡市中央区天神

武雄温泉新館の模型を指さす岸川さんの説明を聞き入るツアー客=武雄市武雄町の武雄温泉楼門2階

 唐津出身の建築家、辰野金吾(1854~1919年)の没後100年を記念したバスツアーが1日、唐津市本町の旧唐津銀行(辰野金吾記念館)を発着点に行われた。北九州市、福岡市、武雄市に現存する国重要文化財の辰野建築を巡った。偉人の功績に思いをはせるツアーに同行した。

 午前8時半、45人を乗せたバスが旧唐津銀行を出発。一路、北九州市の旧松本家住宅に向かう。敷地に入ると目の前に優美なたたずまいの洋館が現れた。広間や食堂の家具に至るまでアールヌーボー様式で整えられ、往時の華やかな雰囲気が伝わる。現在は結婚式やパーティー、テレビのロケに使われている。

 昼食後、福岡市赤煉瓦(れんが)文化館(旧日本生命九州支店)へ。旧唐津街道(現昭和通り)に面し、赤いレンガの壁面と白い花こう岩の帯が目を引く。現在、中はカフェや会議室など交流の場に。完成から110年、今も街のランドマークとしての役割を担う。

 最後は武雄温泉。楼門2階で同温泉社総務課長の岸川日出男さんが、天井四隅にある四つの干支(えと)について説明。残り八つの干支は東京駅にあることを挙げながらも、岸川さんは「楼門はあと2棟建設予定だった。もし建っていたら十二支がそろったのでは」との説を披露。ツアー客にどよめきが起こった。

 唐津東高2年の江口真佑美さんは母美保さんと参加。真佑美さんは「厳粛な雰囲気の辰野の建物が、中に入るとぬくもりを感じた」と感想を述べ、同行した辰野のひ孫で建築家の辰野智子さん=東京在住=は「3軒とも大事に利活用されていた。建物は使われてこそですね」と話した。

 ツアーは辰野の顕彰活動を続ける「唐津赤レンガの会」(田中勝会長)が企画。辰野建築の魅力に触れながら、移動の車中では隣の年配男性やご婦人との会話も楽しむなど、ちょっとした修学旅行気分も味わえた。

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