初めて育てた芋を園児らと収穫する龍谷高サッカー部員=佐賀市北川副町

 12月30日開幕の全国高校サッカー選手権に2年連続2度目の出場を果たす佐賀県佐賀市の龍谷高サッカー部。県大会決勝から間もなく、選手たちは同市北川副町にある練習グラウンド付近の畑で地元農家や園児と芋掘りをしていた。週1日の休養日に活動するサッカー部内の「農業部」の取り組みで、こうした“部内の部活”が七つもある。

 「『サッカーだけやる』ではなく、将来を見据えてさまざまな経験も必要」。元Jリーガーの太田恵介監督(40)のキャリア教育の考えの下、環境美化部や映像分析部、テーピングの巻き方などを学ぶトレーナー部などがある。「指示を与えられるだけでなく、自分たちで考え、行動する経験をさせたい」との思いから、生徒は希望する部で、自主的に話し合い、活動を決めている。

 農業部は1年前、太田監督が地元農家でつくる北川副園芸部会に申し出て始まり、タマネギや米の収穫など練習グラウンド近くの農家を手伝っている。高齢化などで担い手不足が問題視される中、農家からは「力仕事も多く、とても助かる」との声が聞こえる。

 11月20日には同園芸部会長の中川和典さん(73)の畑で、系列の龍谷こども園の2歳児35人を招き、初めて育てた芋の収穫を楽しんだ。園児と一緒に次々と秋の実りを掘り出し、3年の柴田陸玖(りく)主将は「子どもたちが無邪気で、楽しめた」。こうした活動から「目配り気配り、相手を思いやる心配りの部分で成長を感じる。それがプレーにもつながる」と監督は話す。

 地域との交流も生まれている。11月に鳥栖市の駅前不動産スタジアムであった県大会決勝戦、中川さんら農家6人がスタンドから声援を送った。「ハラハラドキドキで盛り上がった。全国大会でもいい試合をしてほしい」と中川さん。生徒たちの背中を押す。

 農業部リーダーの3年升永怜男(れお)さんは「早朝から夜遅くまでの練習で近隣の方に迷惑を掛けている。応援もしていただくので、手伝うことで恩返しできたら」と語った。

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