平井ゆかさん(右から2人目)や辰野智子さん(同3人目)らが参加したシンポジウム=唐津市の旧唐津銀行

講演する藤原惠洋氏

 唐津出身の建築家、辰野金吾(1854~1919年)の没後100年を記念するシンポジウムが11月30日、唐津市本町の旧唐津銀行(辰野金吾記念館)で開かれた。2人の専門家が基調講演で辰野建築の特徴などを説明し、シンポでは辰野の子孫らが参加して“日本近代建築の父”の功績をあらためて振り返った。

 九州大大学院芸術工学研究院教授の藤原惠洋(けいよう)さんが、福岡市の旧日本生命九州支店は「(外壁に赤れんがと花こう岩を配した)フリークラシックスタイルの一つの到達点」と特徴を挙げた。また、建物は目に見えない軸線に対して造られ、軸線に唐津街道が隠れていると説いた。九州大大学文書館協力研究員博士の市原猛志さんは、れんが造りの辰野作品を紹介しながら、全国に残る近代建築の魅力を語った。

 シンポは2人に加え、辰野のひ孫の辰野智子さん、辰野と同郷で同じく建築で活躍した曽禰達蔵(1852~1937年)のやしゃごの平井ゆかさん、佐賀県文化財保護室の小野将史さんが辰野の功績など語り合った。

 辰野が監修を務めた会場の旧唐津銀行について、小野さんは「辰野の弟子で設計者の田中実が師のスタイルを解釈した」と説明。智子さんは「辰野建築が各地に残るのは記念碑的建物が多かったからでは」と述べるなど、それぞれが辰野への思いを口にした。市の主催で約130人が耳を傾けた。

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