鳥栖-札幌 前半、CKから頭でゴールを狙う鳥栖攻撃陣=鳥栖市の駅前不動産スタジアム(撮影・山口源貴)

 勝てばJ1残留が決まるホーム最終戦で、鳥栖は攻守に空回りした。前半早々に寄せの甘さからあっさり失点。攻めては、守備を固める相手を最後まで崩すことができなかった。FW豊田は「チャンスはあったが、最後のところで仕留める精度が足りなかった。次につなげないと」と苦々しく語った。

 選手間の連係不足から先制点を奪われた。前半4分、鳥栖の右サイドで相手にボールを持たれた場面。鳥栖は3人、札幌は2人で数的優位の状況だった。しかし、DF小林が「選手間で微妙に意思疎通ができていなかった」と振り返るように、ボールを持った相手に誰も詰めなかった。フリーでクロスを上げられてしまっては、J1指折りのFWジェイを止めるすべはない。

 早い時間帯に先制されたことで、攻撃も難しくなった。引いて守備を固める相手に対しボールは保持できたが、前半の決定機は皆無。何とか打開を図ろうと、後半開始から小林に代えてMF安庸佑を投入し、ボランチとして先発したMF松岡を公式戦で初めて右サイドバックに回す苦肉の策に出た。後半だけでCKを8本得るなど主導権は握ったが、長身DFがそろう相手の守備ラインを破るまでのアイデアは生まれなかった。

 名古屋戦、札幌戦と残留に王手を掛けながら足踏み。結果、昨季に続いて最終節に残留確定を持ち越すことになってしまった。次節・清水戦を引き分け以上で自力でのJ1残留が決まるが、万が一敗れると、16位湘南が引き分けの場合でも得失点差でJ2との入れ替え戦に回る可能性がある。

 その危機感はチーム全員が共有する。金明輝(キン・ミョンヒ)監督は「選手は顔を上げている。来年度もJ1でプレーできるよう、必ず勝って帰ってきたい」。泣いても笑ってもあと1試合。選手一人一人が気持ちを込めて、敵地に乗り込む。

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