創業90年の歴史 草木染の価値、対面で伝える

「感動してもらえる商品を届けたい」と話す馬場崎誠さんと妻の真紀さん=小城市牛津町
 

 小城市牛津町の「きもの馬場崎」は、昭和元(1926)年の創業から90年以上の歴史を刻み、県内で数少ない草木染の商品を手掛けています。「着物離れ」が言われるようになって久しく、化学染料を使った商品も広く浸透する中、自然の原料を使った手作りの風合いを受け継ぎ、対面販売で顧客の好みに合わせた商売を心掛けています。
 草木染を始めたのはバブル崩壊後の98年。着物市場が急激に収縮し、独自商品の開発で活路を見いだそうと、2代目の馬場崎進さん(80)が店舗に工房を構えました。
 原料は桜の枝やタマネギの皮、カラスウリの葉など幅広く、同じ原料でもその年の生育状況や加工の仕方で色の出方は微妙に異なります。現在は3代目の誠さん(47)が試行錯誤を重ねて丁寧に染めた生地を、妻と母が着物や洋服、小物に仕立てています。
 誠さんは「どの商品を見ても、完成までの苦労や喜びを思い出す。他にない一点物の良さを知ってもらうことで、顧客との長いお付き合いができる」と言います。「作り手にしか伝えられない価値がある」とも話し、販売は店頭と百貨店での催事にとどめ、卸売りや通販も行っていません。
 値札に加え、顧客に年2回送っている案内状も手書きで思いを伝えます。常連客の中には「染め直してほしい」と、長く愛用した洋服や着物を持ち込む人もいます。商品を大切に使ってくれている姿を見るたび、「信じた商売をやってきてよかった」と感じるそうです。

来月6日まで「感謝祭」

 12月6日まで感謝祭を開催中で、商品の一部を通常価格より安く販売。来店客には草木染の小物などが当たるくじを引いてもらい、手書きのメッセージ入りの箸を添え、手作りのぜんざいも振る舞っています。

DATA

[住]小城市牛津町牛津86ー2
[電]0952(66)0667
[営]10:00‐18:00

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