松島の港でウェットスーツに身を包む海士の男たち。右から3番目が宗秀明さん=唐津市鎮西町の同島(提供)

松島にグランピング施設を作る計画をまとめたインターネットサイトのQRコード。スマートフォンで読み取ると、資金援助を呼び掛けるサイトが閲覧できる

 唐津市鎮西町の離島松島で、おしゃれで快適なキャンプ「グランピング」の施設を整備する計画が進んでいる。新たな産業を興して人口流出に歯止めをかけようと、島の若者らが中心になっている。ネット上で資金を募るクラウドファンディングにも取り組んでいる。

 松島は呼子港からの定期船で約15分、同町波戸岬の沖に浮かぶ。面積は0・6平方キロメートル。11月1日現在、22世帯54人が暮らす。

 計画を立ち上げたのは海士の宗秀明さん(25)。島に生まれ、海士として働く祖父と父に憧れて育った。高校卒業後すぐに家業を継ぐつもりだったが、父の「視野を広げてこい」との助言を受けて市内の鉄工所に就職。2016年に故郷に戻った。

 きっかけは兄が島内で開くレストランの客の一声だった。「泊まってゆっくりできたらいいのに」。宿泊施設は民宿が1軒あるのみ。「海に囲まれた自然とキャンプは親和性が高いはず」と計画を思い立った。

 予定地は島北側の約300平方メートルの空き地で、地権者の島民から借りた。海を臨み、長崎県の壱岐島が見える。貸し出すテントやトイレ、シャワーを備える予定。島の仲間と整地作業を進めており、来年夏の完成を目指している。

 計画の背景には危機感がある。近年、漁獲量は減り続け、島の基幹産業である漁業が揺らいでいる。仕事を求めて島を出る人もおり、計画当初に10人いた協力者も6人になった。「このままでは、いくら島が好きでも住み続けられなくなってしまう」。宗さんは焦りを募らせる。「観光客が増えれば、仕事が増えて雇用も生まれる。島が活気づく」と計画に希望を託す。

 宗さんはキャンプ道具の購入費を賄うため、クラウドファンディングで資金を募る。目標金額は200万円。期限まであと2日に迫る中、7割の額が集まった。「目標まであと少し。島のこれからのためにも大勢の人に支援してもらえたら」と呼び掛けた。

このエントリーをはてなブックマークに追加