農研機構が育成した「くすもち二条」。九州で栽培しやすいよう開発された(農研機構九州沖縄農業研究センター提供)

 国立法人・農研機構九州沖縄農業研究センター(筑後市)は、もち性大麦(もち麦)の新品種を開発した。九州で栽培しやすいよう特別に育成した早生種で、軟らかく粘りがある食感が特徴だ。

 もち性の二条大麦で、名称は「くすもち二条」。炊飯した際、一般的な麦のようなぽそぽそした感じがなく、しっとりして食べやすい。うるち性と比べ、血中コレステロールを下げるなどの機能がある水溶性植物繊維のβ-グルカンを多く含んでいる。

 健康ブームを受け、ここ数年、もち性大麦の需要が急増しているが、国産はごくわずかしかなく、消費者、業者の双方から供給が求められていた。そこで同センターが今回初めて九州地方向けに、梅雨入りが早い地域で栽培しやすい品種を開発した。

 佐賀に続く大麦の産地である福岡県を中心に、昨年は250ヘクタールの作付けがあり、本年はこの倍以上の作付けが見込まれているという。今年、品種登録して民間事業者と利用許諾契約も結んだため、一般消費者向けの製品(精麦)としての販売も始まり、生産に必要な種子を提供する態勢も整った。

 佐賀では、大麦はビール用の需要が減少傾向で用途の多様化が求められており、関係者は「業者が望み、価格で折り合えると、県内でも栽培が広がる可能性がある」と話している。

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