焼肉やステーキ丼、うな丼などタンパク質いっぱいの食事。被災地でなくても野菜、タンパク質が大切です。

台風19号で長野市も大きな被害が出た。炊き出しをした。被災にもかかわらず元気に生きるために、タンパク質と野菜が大切。

 ぼくは日本中で、健康についての講演をしていますが、多くの人が関心高く聞いてくれます。健康についての知識も意欲もあり、すばらしいことです。しかし、情報は生もの。新しい研究によって、日々更新されています。もしかしたら、あなたの健康常識は時代遅れになっているかもしれません。

■卵は一日1個まで?

 かつてコレステロールを摂りすぎないようにしようということで、「卵は一日1個まで」といわれていました。しかし、食事内容に注意しても、体内のコレステロール値に大きく影響しないことがわかり、厚生労働省は2015年にコレステロールの摂取基準値を撤廃しました。もう、卵の食事制限をする必要がないということです。

 一方、こうしたことがわかる前から日本脂質栄養学会は、コレステロールの数値が高い人はむしろ長生きであると主張してきました。

 ぼくもこれに賛成し、野菜さえしっかり食べれば、肉や卵を食べてもかまわない、むしろたんぱく質をしっかり摂ろうと、長野県の地域の人たちに呼びかけてきました。

 長野県は、かつて不健康で早死の多い県でしたが、平均寿命日本一の長寿県になったのはご存じの人も多いでしょう。

■コリンで認知症予防

 もう一つ、卵の話題です。最近、卵に含まれるコリンという栄養素が、脳に欠かせないものとして注目されています。

 東フィンランド大学の研究で、コリンを適度に摂取すると、認知症予防につながる可能性がわかりました。平均22年間追跡調査をした結果、コリンの多い食事を摂っている人は、記憶と言語能力の検査が優れていたのです。

 コリンは、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンの材料。記憶や学習という脳の働きと深くかかわっています。卵だけでなく、肉やアーモンド、ブロッコリー、パセリなどに多く含まれています。認知症予防のために、これらの食材を意識して摂るのもよいでしょう。

■ウオーキングの限度

 毎日、ウオーキングをしている人も多いでしょう。でも、歩けば歩くほど、健康にいいというわけではありません。一日8千歩までは多くの生活習慣病を予防・改善する効果がありますが、1万200歩を超えると関節の障害などを起こしやすくなります。歩くのが好きな人でも一日8千歩くらいにしておくのが妥当だと思います。

 8千歩も歩けないという人は、アメリカのオレゴン大学の研究が朗報です。4千歩程度の運動でも、短期記憶を司る海馬の神経細胞の働きを活性させ、記憶力を向上させることがわかりました。

 さらに、信州大学大学院の研究では、インターバル速歩を週平均50分行うことで、体力と生活習慣病の改善に貢献するとしています。インターバル速歩とは、速歩とゆっくり歩きを3分ずつ交互に行うもの。一日15分程度のインターバル速歩だけでいいというのですから、時間がなくて運動できないという人はうってつけです。

 佐賀市で行っている「がんばらない健康長寿実践塾」でも、できるだけ新しい健康情報をわかりやすくお伝えしています。次回は11月23日に開催されます。今回は「認知症にならない生き方」をわかりやすく科学的にお話します。どなたでも参加できます。

 科学的研究の積み重ねで、健康常識は変化していきます。ヘルスリテラシーという「健康の教養」を高め、無理のない方法で自分の健康を守っていってほしいと思います。

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