杵島郡大町町の工場からの油流出で、被害に遭った農地の土壌検査結果の概要などが報告された佐賀県復旧・復興推進本部会議=県庁

 8月末の記録的豪雨で、杵島郡大町町の佐賀鉄工所大町工場から流出した油の被害に遭った福母地区の農地での土壌検査について、山口祥義知事は18日、153地点のうち4地点で、来年の作付けまでに自然分解が間に合わず水稲の生育に影響する油の濃度が検出されたと明らかにした。全体の8割超では不検出だった。県や大町町、JAさがなどで構成する「農業技術対策会議」で19日に詳細を報告し、土壌の入れ替えなど今後の対策を協議する。

 県庁での県復旧・復興推進本部会議で言及した。県農産課によると、10月28日に農地からサンプルを採取し、11月13日までに分析結果が出た。来年の水稲の作付けを念頭に、(1)来年の作付けにも影響がある(2)現在は影響があるが、自然分解が進み来年の作付けには影響がない(3)作物に影響がない(4)不検出(1キロ当たり100ミリグラム未満)―の4段階で評価した。

 作付けに影響が出るのが全体の2・6%に当たる4地点で、不検出が8割を超えた。(1)以外の具体的な箇所数や基準値は19日の対策会議で公表される。

 作付けに影響が出る地点については土壌の入れ替え、それ以外は油の分解を促す石灰の散布を県側が提案する見込み。今後、対象農家への説明会を開いて具体的な日程を協議する。

 知事は「影響を及ぼす地点については対策会議の議論を注視したい」と述べた。

■冬間近、毛布届けて 県復旧・復興会議 被災地から要望

 8月豪雨に関する18日の佐賀県復旧・復興推進本部会議には武雄市と杵島郡大町町も参加し、武雄市からは冬本番に向けて毛布など支援物資の早期の提供完了を求める声が上がった。大町町からは民間団体とともに床上浸水の被害に遭った住宅の全戸訪問を進め、住民のニーズを吸い上げる活動が報告された。

 県は武雄市や大町町を通じて被災者に寝具などの生活必需品を支給しており、11日までに892世帯3046件の申し込みがあった。約7割に当たる2174件で納品を終えているが、武雄市の北川政次副市長は「被災件数が多く、毛布などの支給が4分の1ほど届いていない。配慮してもらえたら」と要望した。

 大町町の三角治副町長は県内外の中間支援組織などでつくる佐賀災害支援プラットフォームとともに、床上以上の浸水被害に遭った住宅約170戸の全戸訪問を進め、17日までに約90戸を終えたことを報告した。三角氏は「行政には遠慮して言えないような困り事も話してもらっている」と民間団体との連携の手応えを話した。食事や交通手段に困っている声などを聞き取り、対応したという。

 山口祥義知事は「これから冬を迎えることや、支援が長期になることに伴う課題がないか、各チームで今のうちから考えて」と指示を出した。

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