初公開された圓通寺の観世音菩薩座像

茶色の体部に金の彩色が施された跡が残る子安観音立像

展示された石仏を眺める来場者=多久市郷土資料館

 江戸時代から昭和初期にかけて作られた石仏を紹介する「野の仏展」が、多久市郷土資料館で開かれている。表情や容姿が異なる如来、菩薩(ぼさつ)像24体を展示し、金色に彩色された珍しい子安観音像も並べる。入場無料で12月1日まで。

 資料館が2017年度から3年間、市内で実施した屋外石仏の調査成果を紹介する。最終年度の今年は多久町と西多久町で約140体を調べ、このうち展覧を許可された一部を飾る。

 初公開された西多久町の圓通(えんつう)寺にある観世音菩薩座像は江戸時代の石仏で、端正でふくよかな面持ちが印象的。銘文に「童女」と記され、若くしてなくなった女性を供養するために作られたとみられるという。

 子安観音像は安産育児の民間信仰を基に作られたもので、西多久町で見つかった立像(年代不詳)は光沢のある茶色の体部に金色で彩色された跡が残る。イボを治す「イボ取り地蔵」などと呼ばれ、地域で信仰されている阿弥陀如来像なども紹介されている。

 多久市は石材の産出地で石仏の種類が多いという。時代によって微妙に意匠が異なり、来場者が興味深く観覧している。25日は休館。問い合わせは多久市歴史資料館、電話0952(75)3002。

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