少年法の適用年齢引き下げを巡り、意見を交わしたパネリストら=佐賀市の佐賀県弁護士会館

 少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げる議論がある中、引き下げの問題点を考えるフォーラムが9日、佐賀市で開かれた。少年犯罪の被害者や少年院の元法務教官らが意見を交わし、刑罰を科すより更生につなげる教育を重視する制度充実の重要性を確認した。

 引き下げを巡っては、法制審議会の少年法・刑事法部会で議論が進んでいる。講演では少年非行の数が激減している点や、少年院は「刑務所の子ども版」ではなく「教育機関」であることなどが紹介された。

 意見交換には、2000年に少年が起こした西鉄高速バス乗っ取り事件の被害者で、不登校児の居場所づくりに取り組む山口由美子さん、少年院の元法務教官で日本こどもみらい支援機構代表の武藤杜夫さん、少年院に入った経験がある砂川杏弥さんが参加した。

 少年院に入る少年の共通点について武藤さんや砂川さんは「孤独感、疎外感があり、大人に対し諦めの気持ちがある」と指摘した。「被害者心情」を理由に刑罰を科す議論が進んでいることについて山口さんは「被害者それぞれで思いは異なる。私は罰で人は変わらないと思う。人は人として尊重されて初めて人になる」と話した。

 「少年院ではぬるい」との意見に、刑務所での勤務経験もある武藤さんは「刑務所の方が会話、本を読むといった自由な時間が多い。刑務所が厳罰と考えるのは安易」と疑問を呈した。

 フォーラムは佐賀県弁護士会が主催し、約45人が来場した。

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