昨年7月の西日本豪雨で倒木などの被害が出た山林。復旧は進んでいない=三養基郡基山町坊住地区

 昨年7月の西日本豪雨で被害に遭った三養基郡基山町と佐賀市富士町で、佐賀県が実施する予定の治山事業の入札不調が続いている。人手不足や治山事業の難易度の高さなどが背景にあり、変化がない災害現場に関係者は「来年の梅雨に対策が間に合うのか」と気をもんでいる。

 基山町小倉の丸林地区と坊住地区では、西日本豪雨で渓流に沿う形で大規模な土砂崩れが発生し、丸林地区では土砂が流れ込んだ住宅2戸が全壊した。佐賀市富士町の上無津呂地区でも土砂崩れが起きた。

 県は国の災害関連緊急治山事業を活用し、土砂の撤去や治山ダムを設置する10件、7億円の事業を計画した。このうち基山町の工事は今年6、8月の計2回、富士町は7、8、10月の計3回の入札に業者の応札がなく、不調に終わった。

 県森林整備課は基山、富士町近隣の建設業者の人手が不足していることに加え、平野部と異なる斜面での作業など、必要な技術を持つ業者が限られることが入札不調の原因とみている。

 県は改善に向けて、複数の工事を合わせて発注し、参加資格等級を経営体力のある業者向けに引き上げるなどした。山手での作業を考慮して設計を見直し、事業費も増額した。富士町の工事は13日、基山町は14日に再度の入札を予定している。森林整備課と東部農林事務所は「住民に安心してもらえるように、梅雨前に間に合うよう少しでも早く仕上げたい」と話す。

 西日本豪雨に関しては、道路や河川に関する県の災害復旧事業も一時不調が続いたが、こちらは全て契約に至ったと説明している。

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