鉛散弾の調査結果と今後の除去方針について協議した「散弾銃射撃場環境対策検討委員会」=伊万里市の立花公民館

 伊万里市大川内町の市営散弾銃射撃場に大量の鉛散弾が放置されている問題で、伊万里市教委は25日、土壌調査した計62カ所のうち48カ所で基準値を超える鉛を検出したことを明らかにした。17カ所は基準値の10倍以上、最高で130倍を超える高濃度で、鉛が溶出する可能性も高いとしている。新年度から鉛散弾除去に着手する方針だが、処理費用が億単位になるとみられ、課題は山積している。

 散弾銃射撃場環境対策検討委員会(委員長・樋口壮太郎福岡大院教授)に報告した。本年度は射撃場内の土壌(深さ50センチ)や、表流水と地下水の水質、周辺部の地質(深さ10メートル)などを調べた。射撃場内は散弾を全く除去していないことから高濃度の鉛が検出され、最も高い地点では含有量で基準値の133倍、溶出量で170倍となった。現地は酸性土壌の自然環境で、鉛が溶出する危険性が高いことも指摘された。

 水質は、表流水を4回、地下水を2回調査し、ともに基準値を超える回があったが、委員会は「下流にはあまり影響がない」と評価した。今後も雨期のモニタリング調査を継続することを求めた。

 市教委は鉛の濃度の高い約4万平方メートルの表土を取り除く案を提示した。汚染土壌を処分するには高額な費用が予想されるほか、斜面を削るため森林機能の低下なども課題に挙げられる。

 委員らは、土砂の流出を防ぐ沈殿池の造成や、汚染土壌を場外に持ち出し処理せず射撃場内で安全に保管することなどを提案した。樋口委員長は「コストが最少で、最も合理的な対策をつくるべき」とした意見をまとめ、状況を判断しながら段階的に作業を進めていくよう要望した。

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