佐賀県鳥栖市など2市3町の次期ごみ処理施設計画を巡り、建設予定地の変更を求める声が高まっている。3月の洪水ハザードマップ(被害予測地図)の見直しで、鳥栖市真木町の予定地の浸水想定は最大1メートル未満から5メートル未満に大きく変更された。建設する佐賀県東部環境施設組合(管理者・橋本康志鳥栖市長)は「洪水に耐える施設を造る」と理解を求めるが、住民は「全国で想定外の災害が頻発しているのに、なぜ、こんな危ない場所に造るのか」と反対している。

 建設候補地は、鳥栖市が2014年に市内の公有地25カ所をピックアップし、自然や生活環境への影響、防災などの観点で選んだ。真木町の予定地は北側を除く3方を河川で囲まれている。浸水想定は最大1メートル未満で、「経済条件において大きな優位性がある」として「最適」と判断された。

 ところが、15年の水防法改正を受け、最大級の降雨があった場合の浸水想定は水深3~5メートル未満、浸水は3日~1週間続くと大幅に見直された。

 今年6月に市内や予定地南側に隣接する久留米市の住民らが変更を陳情し、9月24日の公聴会では7人全員が反対意見を述べた。

 このうち、予定地から西へ約800メートルの新興住宅地、鳥栖市あさひ新町(400世帯、1300人)の馬場祐次郎区長(63)は「そもそも候補地選定を始める際に『防災面で災害危険区域は望ましくない』としていながら、浸水想定地区を選んだこと自体がおかしい。場所ありきではなかったか」と選定のあり方を疑問視している。

 10月4日には同町からの要請で住民説明会が開かれ70人が参加、「他の1市3町の利用者にもハザードマップを示し、本当にこの場所でいいのかを聞いてほしい」との意見が出た。

 これに対し、東部組合の担当者は「地盤を2メートルかさ上げし、電気室や中央制御室など主要部分は5メートル以上に設置する。洪水の波にも耐えられるように鉄筋コンクリート造りとし、止水板を設置するなど浸水防止対策を採る」としている。

 建設地を巡っては、当初予定していた敷地の南東部の地中から環境基準値を超える有害物質が検出されたため、昨年12月に建設場所を敷地内の北西部に変更した経緯もある。地下水の汚染や、隣接した宝満川の上流350メートルに鳥栖市上水道の取水口があるため洪水時の飲料水の汚染を心配する声も上がっている。

 施設は来年度着工し、24年4月に操業開始予定。総事業費は建設費169億円、完成後30年間の運営費247億円の計416億円としている。

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